Diamond Stars Group(ダイヤモンドスターズグループ)株式会社
SOP

無機態窒素(NH₄-N / NO₃-N)測定プロトコル(SOP案)

窒素の動きを知ることが、収量と環境の両立につながる。

本プロトコルは、Diamond Stars Group株式会社が提案する地域循環型土壌機能資材の施用効果を、作物が短期的に吸収可能な無機態窒素(NH₄-N/NO₃-N)で定量評価するための標準手順書(SOP案)です。
過剰害・溶脱リスク・肥効持続性をデータで可視化し、行政説明や対外的なエビデンスとして活用できる形で整理しています。
無機態窒素(NH₄-N / NO₃-N)測定プロトコル

1. 目的

地域循環型土壌機能資材 施用による窒素動態を、総窒素ではなく“無機態窒素(作物が短期的に吸収可能な窒素)”で把握し、「過剰害リスク」「溶脱リスク」「肥効持続性」を行政説明可能な形で定量化する。

2. 測定対象・指標

NH₄-N(アンモニア態窒素) 吸着保持されやすい、初期影響の指標
NO₃-N(硝酸態窒素) 溶脱リスクに直結、過剰判定に使われやすい指標
参考 EC、pH(同時測定推奨:塩類・酸度影響の補助説明)

3. 区割り(必須)

最低3区(できれば4区)
1. 慣行区 化学肥料50kg/10a
2. 30%削減区 化学肥料35kg/10a + 地域循環型土壌機能資材
3. 50%削減区 化学肥料25kg/10a + 地域循環型土壌機能資材
4. 地域循環型土壌機能資材 多量施用区 現場実績量:※川島実量
各区:同一圃場内、同一品種、同一管理(潅水・防除)で揃える。

4. 採土設計(行政に強い形)

最低3区(できれば4区)
深さ(標準)
  • 0–10cm(表層)
  • 10–20cm(根域)
  • (可能なら)20–30cm(溶脱兆候確認)
採土点数
(現場運用と統計の折衷)
  • 1区画あたり 5点(W字またはジグザグ)から採土
  • 同深度を混合して 複合試料1点 を作成
  • 1区あたり 複合試料 × 2(2反復) が理想(最低1)
※「複合試料」でばらつきを抑え、運用コストも抑える。

5. 測定タイミング (作期で8点が理想)

行政説明で強いのは「施用直後だけ見ていない」ことです。

推奨タイムライン(馬鈴薯想定)
コードタイミング
T0施用前(ベースライン)
T1施用後 7日
T2施用後 14日
T3施用後 30日(初期生育期)
T4塊茎肥大期(中期)
T5収穫前 14日
T6収穫時
T7収穫後(残存無機態N:環境評価)
※コスト制約がある場合は最低でも T0 / T2 / T4 / T6 / T7(5点)

6. サンプル取扱い (重要:数値がブレる原因を潰す)

  • 採取後すぐに 冷蔵(4℃)
  • 可能なら 24〜48時間以内に分析
  • 遅れる場合は 冷凍(NO₃変動を抑える)
※採土袋・ラベルに「区・深度・日付・担当」を必ず記録。

7. 分析方法(選択肢)

A)外部機関
(推奨:行政向けに強い)
  • 土壌分析機関に依頼
  • 抽出法:一般に 2M KCl抽出 が標準(NH₄・NO₃に広く使用)
B)現場迅速測定
(補助)
  • NO₃簡易キット・反射式計測
  • ただし行政提出の主データは外部機関推奨

8. 記録フォーマット (最低限)

  • 区分(慣行/30%/50%/多量)
  • 深度(0-10/10-20/20-30)
  • 日付(T0〜T7)
  • NH₄-N(mg/kg または mg/100g)
  • NO₃-N(mg/kg または mg/100g)
  • pH / EC
  • 施肥量(化学肥料kg、地域循環型土壌機能資材 kg or t)
  • 降雨・潅水(簡易で可)

9. 判定の考え方(行政接続ポイント)

  • NO₃-Nの急上昇がない
    = 溶脱・環境懸念が低い
  • NH₄-Nが吸着保持され、緩やかに推移
    = 緩効性を支持
  • 収穫後(T7)に 残存NO₃-Nが低い
    = “ゴミ捨て”でない証拠
図1 総窒素と実効窒素の違い(概念図)
図2 実効窒素のフロー
図3 「なぜ多量で効くのか」閾値モデル
アドバイザー
関 祐二
農業コンサルタント
関 祐二Yuji Seki

経歴

  • 1953年静岡県生まれ
  • 1975年東京農業大学卒業と同時に農家経営につく
  • 1984年土壌・肥料・植物栄養を中心とした農業コンサルタントを開業

資格等

  • 土壌医1級(ID:D15070066)
  • 認定農業者
  • エコファーマー
  • JGAP指導員
地域循環型土壌機能資材の意義

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